庭の花だより  月下美人

ゲッカビジン Epiphyllum oxypetalum

夜中に、しかも数時間しか咲かない花、月下美人。香りが強く、顔ほどの大きさもある、白い花が、暗闇のなかで、咲き乱れています。
月下美人で思い出すのは、李白の「月下独酌」。月と、月に照らされた自分の影と、自分自身の3人で、お酒を交わす詩です。大好きな漢詩で、昔は満月のたびに、独酌していました。でも、月と自分の影を同時に見たことはありません。水面に月を映して影と近づけてみたり、いろいろ試みてはみたものの、どうも納得できません。どうやったら見られるのでしょうか。まあ、月も、影も、自分にくっついてゆらゆらしているので、最後にはいい気分になって、いつかこの空の下で、また会おう、と約束するのでした。