言葉と沈黙

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』『スナーク狩り』を読む。言葉の威力や浅はかさを巧みに操るキャロルのお話は、どれも言葉の持つ「センス」(=意味)を無化しながら、文字通り「ノンセンス」の世界へと連れて行かれる。でも子どものために書かれたお話だから、きっと意味なんか探そうとしても「無意味」に違いない。なのに読みながらどうしても、物語の中に仕掛けられた隠し扉を見つけたくなるし、数学的パズルを解きたくて仕方がなくなる。その扉も、パズルも、結局最後は消えてしまうのだけれど。『スナーク狩り』が「沈黙」で終わるように、私たちが生きる世界は、言葉のない「無」のなかに吸い込まれて、消えてしまうのだ。

スナーク狩り (挿絵=ホリデイ)

スナーク狩り (挿絵=ホリデイ)

あと、うちにたくさん人が来て、みそ鍋パーティーをした。